【第1話】只今、妊娠3週1日(妊娠1ヶ月目)
「ねぇねぇ、妊娠してる!」
日曜の朝、僕は妻の興奮する声にゆり起こされた。
「えっ? なに?」
「いま妊娠検査薬で調べたら、陽性って出たの!」
「おっ、おう……」
ちょっと見せて欲しいと妻に言い、妊娠検査薬ドゥーテストを確認させてもらった。そこにはくっきりと赤の2本線。陽性判定。妊娠しています、と結果が出ている。
「まだ検査するには早い時期なんだけど、妊娠しているんじゃないかって気がしてやってみたのよ」
通常、妊娠検査薬は生理予定日の約1週間後から使用できる。でも妻が検査したのは、ずばり生理予定日。妻が出やすい体質なのか、ドゥーテストが高性能なのかはわからないが、妊娠超初期にも関わらず判定をくだしてくれたようだ。
スポンサーリンク
妊娠発覚から始まるブログ。新型出生前診断や染色体異常について知りたい方へ
さて、ここから始まる連載ブログは、「40歳の妻」と「43歳の夫」が経験した、赤ちゃんをお空に見送った物語り。
こののち僕たちは、大きな試練を受けます。染色体を調べる新型出生前診断、NIPT(non-invasive prenatal genetic testing)という検査を受け、お腹の赤ちゃんが18トリソミーという非常に重い先天性疾患を持っていると告げらるのです。
夫婦で何度も話し合い、知らないことをたくさん勉強し、罪悪感と葛藤しながら何日も悩み抜きました。
近年日本では、晩婚化にともない高齢出産が増加しています。先天性疾患の原因となる染色体異常は、妊婦が高齢になるほど急激に高くなるという統計があります。おそよ35歳から急カーブを描くように。
おなじようなことで悩む女性・ご夫婦も増えて行くかもしれないと思い、僕たちが経験したことを記することにしました。僕たちのは名前は伏せて匿名にしていますが、内容は実際に経験した真実です。
このサイトに辿りついた方は、何らかの理由で新型出生前診断、染色体異常、先天性疾患などについて知りたい方でしょう。
NIPTとはどんな検査なのか? いつ、どうやって受けることができるのか? 夫婦は何を話し合わないといけないのか? もし陽性だったら……?
記事は日記形式なので、追体験をしながら学べると思います。世の中の一例として、ぜひご一読ください。
また、急いでいる方、必要な情報をすぐに見たい方は、サイトのトップページに記事一覧をまとめていますので、こちらから目的の情報を探してください。