【第6話】只今、妊娠8週0日(妊娠3ヶ月目)
いよいよ胎児の染色体を調べる、新型出生前診断(NIPT)の検査を受けようという準備段階になった。
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新型出生前診断(NIPT)は、妊娠10週目から検査ができる
新型出生前診断(NIPT)についての詳しい説明は後述するが、検査は妊娠10週目から受けることができる。
似たような出生前診断としては絨毛検査や羊水検査もある。しかし新型出生前診断(NIPT)は、これらよりも早い週数で検査することができる。そのため結果次第によって、「産むのか、産まないのか」を考える期間が長く得られることになるのだ。
新型出生前診断(NIPT)の検査方法は、母親の腕から少量の血液を採取するだけ、という容易さだ。
絨毛検査と羊水検査はお腹から子宮に直接針を刺すので、少なからず胎児への危険性がある。新型出生前診断(NIPT)の検査は、お腹の赤ちゃんも安全というメリットがあるのだ。
NIPTと、絨毛検査・羊水検査の違い
新型出生前診断(NIPT)
・妊娠10週から検査可能
・母体の腕から血液採取
・流産リスクなし
絨毛検査
・妊娠11週から検査可能
・母親のお腹に針を刺し、胎盤から細胞を採取
・流産リスクあり
羊水検査
・妊娠16週から検査可能
・母親のお腹に針を刺し、羊水を採取
・流産リスクあり
紹介状を書いてもらえず、産婦人科と大学病院を行ったり来たり
僕たちは、第一子の長男くんの妊娠時も新型出生前診断(NIPT)を受けている。2013年のことだ。
当時、新型出生前診断(NIPT)が日本で臨床試験として始まったばかりで、日本での事例がまだほとんどない状況だった。検査を受けることができる病院も限られている。そんな珍しい状況だったからか、かかりつけの産婦人科は、新型出生前診断(NIPT)を受けることができる大学病院への手続きをサポートしてくれた。
しかし、今回はようすが違う。なぜだか産婦人科が手続きを支援してくれないのだ。「新型出生前診断(NIPT)を受けるのなら、当院からは何もできないので直接申し込んで、受けて欲しい」と。
そこで、僕たちは新型出生前診断(NIPT)を受けることができる病院のなかから、東京都内の昭和大学病院を選び、電話で問い合わせをした。すると「かかりつけの産婦人科からの紹介状がないと検査を受けられない」と断られてしまった。
仕方がなく再びかかりつけの産婦人科へ相談をすると、やはり紹介状は書けない、と。
その理由は、以前は新型出生前診断(NIPT)が日本で始まって間なしだったのでクリニック側で病院探しや手配を行なっていたのだが、どうやらその業務が思いのほか大変だったそうで、その手配を行わない方針にしたということだ。
かかりつけの産婦人科では「クアトロ検査」か「羊水検査」を提案されるが、クアトロ検査は精度が低く、羊水検査は16週以降まで待たないといけないので、両方とも受けたくない。
なんと、たらい回しになってしまったのだ。
その後、いくつかの新型出生前診断(NIPT)を実施している病院に問い合わせをするが、「通っている産科からの申し込みが必要」「検査申し込み者が多いため、当院で分娩される方のみ」などと断られ続けた。
昭和大学病院、条件付きで検査許可
困り果てた僕たちは、最初の昭和大学病院へ事情を説明すると、条件付きで検査を受ける許可をもらうことができた。その条件とは、検査申し込み前に「出生前診断についての勉強会に参加する」ということ。
僕たちは早速、「検査前の説明会」を受ける予約をした。すぐに検査が受けられる訳ではなく、その前にしっかりとした説明を受ける必要があるらしい。説明会は2週間後だ。