【第3話】只今、妊娠5週0日(妊娠2ヶ月目)
最初の産婦人科での検診からおよそ2週間後、土曜日に2度目の検診へ向かった。
今回は妻一人だけではなく、僕も、2歳の息子くんも一緒だ。初夏の気持ちいい気候のなか、家族みんなで産婦人科へ出かけた。
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エコー検査で妊娠超初期の胎芽を確認
息子くんは病院のなかを走り回るので、僕は追いかけるのに苦戦した。無理矢理動かないように抱っこしていれば良いのだろうけど、そうすると「うわああん!」と体を仰け反らし嫌がる。まさに2歳児のイヤイヤ期といったところだ。
僕は息子を座らせたり、抱っこして歩いたりしながら、楽しませようと努力した。「おっ、こんなところにアンパンマンがいるぞ!」とか。
さて、妻は今回も超音波検査を受けた。お腹にエコーをあてて、子宮にいる胎児のようすを診る検査だ。ただ、この妊娠超初期は胎児ではなく胎芽(たいが)と呼ばれている。受精卵が子宮に到達し、子宮の壁にくっついた状態。卵というか、とても小さな袋がある状態だ。
今回の超音波検査では、その袋が見えたようだ。
所見は問題なし。
順調、順調。
また、出産予定日も告げられた。
3月4日ということだ。
そして今日現在は、妊娠5週0日。
妊娠2ヶ月目となる。
ようやく僕も実感が湧いてきた。
妊娠初期は流産リスクが高い。周りの人への報告はまだ
ただ、妊娠初期は流産の可能性があるので、ぬかよろこびにならないよう、僕はできるだけ客観的に現状を把握しようと意識した。なんだか冷たいように感じるかもしれないが、ダメだったときに夫婦ふたりともで落ち込まないよう、僕はそうしたのだ。
「まだどうなるかわからない。会社の人や友達に言うのは、もう少し先にしようね」と、妻には言った。
とはいえ、やっぱり嬉しい。子供が二人いる家庭を想像すると、思わず笑みがこぼれそうになる。僕たち夫婦は元々子ども好きでは無かったのだが、長男の育児を通じて子どもの可愛らしさを知り、すっかり夢中になった。
さて病院のあとは、以前から気になっていた古民家カフェへランチにいった。ここは畳が敷かれた和室で、幼い子供が自由に動けるのでとても良い。しかも線路沿いにあるので、息子くんは大好きな電車を窓から眺めることができる。
僕だけビールを注文し、妻はお酒はしばらくガマン。ごめんねと思いつつ、ビールとお茶で乾杯をした。